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事務所通信Vol.1(2010年2月)付録

目次

■経営に役立つ会計

  IFRS(国際会計基準)って何?

■経営者のための税務

  民主党政権になって初めての税制改正

■緊急特別付録≪経営者必見!≫

  あの返済猶予法案どうなったの?

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■経営に役立つ会計

  IFRS(国際会計基準)って何?

 

・最近よく見かけるIFRSってなんだろう?

最近、新聞の経済欄などで「IFRS」という単語がよく眼につきます。「IFRS」そもそも読み方からして困ってしまうのではないでしょうか。ですから気にはなっても敬遠されてる方が大半でしょう。実は読み方も、アイエフアールエス、アイファース、イファースといろいろな読み方が飛び交っていまして専門家の中でイファースに落ち着き始めたのも最近のことなんです。肝心のその意味なのですが、ずばり「国際会計基準」。正確には「国際財務報告基準」と言うべきですが、意味は同じです。この「国際会計基準」、随分前からあったにもかかわらず、なぜ今になって脚光浴びるようになったのでしょうか。実はあと2〜3年後にはこの影響で、大企業はおろか中小企業の決算・経理にも大きな変化が訪れかねない状況なのです。まさに再びやってきた黒船です。これからIFRSの記事を見た時に、他人に先駆けて読み解ける基礎知識をお伝えします。

・なぜIFRSが注目されるのでしょうか?

それは、ずばり2015年から日本の企業がIFRSに従って決算書を作り財務報告をしなければならないことに決まったからです。今までは日本の会計基準で決算書を作っていて、EUマーケットで資金調達する必要がある会社だけが国際会計基準仕様に決算書を作りかえていました。しかし今度は初めから国際会計基準仕様で決算書を作ることに変わったのです。例え国内でしか事業をしていなくともです。

幸い今のところは、すべての企業がこのIFRSに従って決算をする必要はなく、株式市場に上場している会社が連結財務諸表を作る際にのみ適用されることになっています。今や上場企業が発行する有価証券報告書では、連結財務諸表がメインですから、上場企業の決算や財務報告がIFRS基準に大きく様変わりするだけでも大変化なんです。

IFRS導入で何が変わるのでしょうか?

上場企業の決算書が大きく様変わりします。

<現在>

連結貸借対照表

連結損益計算書

連結株主資本等変動計算書

連結キャッシュフロー計算書

<導入後>

財政状態計算書

包括利益計算書

持分変動計算書

キャッシュフロー計算書

決算書の形式が変わりますし、「包括利益」や「継続事業」という耳慣れない用語も出てきます。また決算書の注意書きにあたる注記情報も増えますから、決算書を作成する企業側もそれを分析する投資家も当面は混乱しきりでしょう。


・中小企業には影響ないのでしょうか?

中小企業にとって対岸の火事と決め込むのは、かなり危険です。

例えばこんなことが予想されます。

◆上場企業の子会社・孫会社はIFRS基準の決算が必要になります。

◆取引先が上場企業の場合、売上・仕入の計上基準をIFRS基準に修正する必要が出るかもしれません。

◆取引金融機関の態度に何らかの変化があるかもしれません。

◆投資家・投資ファンドからの資金調達にあたり、IFRS基準並みの情報が求められるかもしれません。              

■経営者のための税務

   民主党政権になって初めての税制改正

民主党政権による初めての税制改正について

民主党政権になって初めての税制改正が行われました。今まで不透明になりがちであった税制改正を、民主党政権下では、決定過程の透明化、可視化を図っていくことで、国民に対してアピールしているようです。今回の政権交代は、国の税のあり方を考える良いきっかけとなっているのではないでしょうか。さて下記には、特に重要と思われる税について取り上げてみました。

・個人所得税関係

 民主党政権では、公平性、支えあいの観点から、「所得控除から手当へ」と移行することを基本としています。0から15歳までの子供を対象とした扶養控除を廃止し、16歳から18歳までの扶養控除を38万円とします。こども手当の創設により、15歳までの子供がいる家庭に、平成22年度は毎月一人につき13千円、平成23年以降毎月2万6千円支給されることにとなっています。

中学生までの子供がいる家庭でしたら、恩恵を受けるのですが、妻が扶養で子供がいない、もしくは高校生以上の子供がいる家庭では現行よりも負担増になるようです。

 また、他に注意すべき点としては、保険料控除が変わります。今までは、一般生命保険料、個人年金保険料控除の合計が最大10万円の控除だったのですが、平成24年以後に締結する保険契約等については、介護、医療保障を内容とする保険料は別枠となります。そのため、一般生命保険料、個人年金保険料、介護医療保険料それぞれ最大4万円の控除となり、最大12万円が所得から控除できます。


・法人課税関係

民主党マニフェストに明示された中小企業に対する軽減税率の引下げですが、財源不足を理由に、今回は残念ながら見送っています。


・資産課税関係

直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合、500万円まで贈与する場合は非課税でしたが、期間限定で以下のように非課税限度額が変更されます。

1.平成22年中に住宅取得等資金の贈与を受けた者

               ⇒1,500万円

2.平成23年中に住宅取得等資金の贈与を受けた者

               ⇒1,000万円

適用期限は平成23年12月31日までとなっておりますので、もしお考えであれば、お早めにご検討ください。


・その他の税関係

その他の税として、たばこ税は、たばこの消費を抑えるため、今後も税率を上げていくことが想定されます。そのため、今後も増税が見込まれ、平成22年度においては、価格の上昇は1本あたり5円程度になります。愛煙家にとっては、ますます肩身が狭くなってきています。

■緊急特別付録≪経営者必見!≫   

あの返済猶予法案どうなったの?

・亀井大臣肝入りの金融返済猶予法案

正確には「中小企業者等に対する金融円滑化を図るための臨時措置に関する法律(以下金融円滑化法)」が平成21年11月30日に成立しました。

亀井大臣のモラトリアム法案という過激な発言で、一斉にすべてのローン返済が凍結されるのかとイメージされた方が多かったこの法案でしたが、最終的には、当初のイメージに比べだいぶトーンダウンした印象に落ち着きました。

成立までに紆余曲折して騒がれた割に、成立後はあまり話題にもならなくてさびしい限りですが、果してこの法案全く役に立たないものなのでしょうか?

いいえ、きちんとこの新しい制度を活用できれば必ず多くの中小企業にとって明るい陽が差し込む効果があるはずですから、今回取り上げてお知らせしたいと思います。

  

・結局何が変わったのか?変わらないのか?

 実は一昨年の平成20年9〜11月に既に自民党政権によって、中小企業向けに貸し渋り貸しはがしをしないような手を打たれてきました。

この際に金融機関が融資先を格付けする指針のいわゆる「金融検査マニュアル」別冊が改定されてました。

金融機関に次のような経営改善計画を提出すると、不良債権として扱われずに済むということがあるのですが、その条件が大きく緩和されたのです。

《条件@》経営改善完了までの期間が3年⇒5年

《条件A》経過が順調な場合(当初計画の80%程度) には最長10年に延長も可

《条件B》最終的に正常先まで改善できなくても可

さらに詳細な経営計画ではなく、売上計画ないしその内容がわかる資料だけでも可となりました。

以上の点は今回の円滑化法案の後も特に変更ありません。しかし詳細に見たり、関係者のお話によるとやはり各金融機関のスタンスには大きな影響を与えているようですので、次にご紹介しましょう。

・中小企業経営者として活用法はズバリ何?

ズバリ今や金融機関はいわゆるリスケジューリング(以下リスケ)に関しては抵抗を感じないようになったと言えます。何しろ中小企業を支援するために積極的にリスケに応じてこれを報告すれば金融庁が喜んでくれると考えられるからです。もちろん話はそんなに単純ではありませんが。。。

ただし金融機関としては立場上、自分からリスケを勧めることはしませんが、借りている中小企業経営者がリスケを依頼してきたら今では基本的に断ることはないようです。 

ですから今まで約定どおり毎月きちんと返済することこそ経営者としての甲斐性だと誇ってきた方も、ここは経済合理的に役立つ施策は存分に使っていただきたいと思います。

  

・リスケを依頼する際に気をつけることは?

ただし注意したいことは次のことです。リスケをしてもしなくてもあと数カ月か半年で倒産しそうなのに、嘘を言ってリスケしたら後でしっぺ返しがあり得ます。基本的にリスケすれば一時的に苦しかった資金繰りに余裕ができて、いずれ持ち直すことができる企業が対象だということです。

それが本当かどうか確かめてもらうために、売上計画の内容を充実させるのが得策です。つまり金融機関担当者が内部で上司や審査部署に丸々10分以上売上計画の中身を話せるだけの材料を提供することが効果的なようです。