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事務所通信Vol.3(2010年4月)付録

目次

■経営に役立つ会計

  資金繰りが楽な会社の特徴その1

■経営者のための税務

  役員退職給与の適正額とは

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■経営に役立つ会計

  資金繰りが楽な会社の特徴その1

・資金繰りが楽な会社と苦しい会社。何が違うのか?

会社経営者であれば、誰でも「うちは資金繰りの苦労はあんまり無いですね」と言ってみたいものです。しかし今のうちの力では無理!とお思いの社長様が多いことでしょう。でも一方で資金繰りの苦労とほとんど無縁の会社も少なからずあるものです。私が以前お手伝いしていたH計器さん。近隣の銀行の支店長さんが借りて欲しいと日参してました。でも社長は「借入れする理由が何も見当たらないから、借入れはしない!」の一点張りでした。

また他にもS設備工業さん他、資金繰りの苦労が無いという会社は何社もありました。

今回はそんな会社の特徴を見て行きましょう。きっと自社に生かせるヒントが見えてくるはずですよ。

 

・特長その1.粗利幅が大きい!の意味

粗利幅が大きい、特に粗利(売上−仕入)率、売上総利益(売上−原価)率が大きいという特徴があります。それは当り前のことだと誰でもおわかりのことでしょう。でも特に最近のような不景気の時代、取引先全般が業績が悪い時代にこそ、粗利幅の大きさがものを言うのです。

それは3つの意味があります。

一つ目、仕入れて売れるまでの間に寝る資金いわゆる運転資金の大きさが大きく違ってきます。

粗利率30%のケースでは、仕入れが70になります。ということは、売上100を回収するまでの間70だけの資金が寝るということです。

一方、粗利率70%のケースではどうでしょう。

仕入れが30ですから、売上が上がるまでの間に寝る資金はたったの30しかありません。

これならば借入れしなくても、余裕をもって次の仕入れができるというものです。

二つ目の意味、値引き余力があるということです。時と場合によっては値引きせざるをえないことがあります。必要な時には、思いきった値引きをして受注することもできますから、今のような不況期には強い武器になります。

三つ目の意味、特に不況の時期に非常に大事になってきます。取引先のどこかが不渡りを出して倒産してしまったような場合、せっかくの売上代金がほとんど回収できない事態が起こり得ます。図のA社とB社をご覧ください。A社では、商品ももう手元にはなく、あるのは70だけの支払い負担だけが残ります。一方のB社では最悪でも30だけの負担で済みますから、屋台骨を揺るがすようなことにはなりません。貸倒れ時の実損害が違うわけです。

商売にいそしむ者で粗利幅を大きくしようとしない人など果しているものか?と思いきや、意外にも値引きが当たり前になっているケース少なくないですよね。結局他所がもっと安いと言われると値引きせざるを得ないというのが多いことでしょう。

この値引きに無縁すなわち言い値が通る商品とは何でしょう?そうです。他所にない独自性のある商品ということですよね。粗利率アップの方策、あらためて考えてみれば他にも沢山のやり方があるとは思いませんか?


■経営者のための税務

  役員退職給与の適正額とは


・役員退職給与っていついくら払うのか決まってるの?

長年会社に貢献された役員が今期限りで退職されようしています。さて、実際いつ、いくらの額を支払えばいいのでしょうか?

 会社としては「長年働いて、会社に貢献した方には多く払いたいんだけども・・・」と思うのは当然だと思います。しかし実は、いつ、いくらまで支払えば税務上全額損金として認められるか適正な額が存在するんです。

 

・役員退職給与はいくらまでなら認められるの?

 「今年は多額の利益が出たので、役員退職給与を引き上げたい。」といったように、実際、役員退職給与は恣意的な支給が行われやすい面があります。支給される金額が多額でかつ利益操作を行いやすいこともあってか、税務署から見ると、支払われた額が適正なのか厳しいチェックが入りやすい項目となっているんです。

 では、実際適正な額は、どのように決めていけば良いのでしょうか。主な方法としては「勤続年数」、「退職時の月額給与」、「会社への功績度」の3つの項目で決めていく方法があります。この中で「勤続年数」、「退職時の月額給与」は決まっているので、わかりやすいですよね。しかしもうひとつの「会社への功績度」がわかりにくいのです。実は「会社への功績度」には明確な決まりがないのです。功績といっても人によって異なるでしょうし、恣意的な値となりやすいので、この点だけでも実際税務上でトラブルが起きやすい個所になっています。過去の事例を参考にしますと概ね2〜3倍までの値のようです。他の方法として、同規模同業他社の退職金を参考にして決める場合も認められて、そちらも多く用いられているようです。参考までに実務上で使用される式を以下に記します。

適正な額(円)

=退職時の給与月額(円)× 勤続年数(年)×会社への功績度(倍)

 

例)退職時の給与月額100万円、勤続年数20年、会社への功績度3倍の場合

適正な役員退職額=100万円×20年×36,000万円

 

・役員退職給与の借金と認められるには、いつ支払えばいいの?

 長年働かれた役員の方に支払う退職金額は多額になる場合が多いです。そうなると、「一部未払金で計上したいんだけども・・・」「分割で支払いたいんだけど・・・」といったケースも出てくるでしょう。

 原則は、株主総会の決議等により退職給与の額が確定した期に全額損金算入するのですが、実際に支払った年に損金参入されることも認められているため、分割で支払った場合には、その都度実際支払った年に損金算入することも認められています。

 しかし、分割支給のように未払いなどの支払方法を利用する場合、利益操作と見られかねませんので、どうしてもやむを得ないため分割する理由が必要となります。   

 また、退職時期にたまたま会社の業績が悪くその時はわずかしか支払えなかったのが、「今期は業績良くなったことだし、追加で退職金を払おう!」と思って支給すると、全額は損金として認めらない可能性がありますので注意が必要です。