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事務所通信Vol.4 part2(2010年5月)

■経営に役立つ会計

資金繰りが楽な会社の特徴その2

・借入れ命の卸業A社と無借金の英会話学校B社の違いはいったい何でしょう? 

沢山の商品を倉庫に保管している卸業A社は、いつも銀行借入金が無いと資金が回りません。その上もしも大きな得意先の手形が飛んだりでもしたら、その補てんでさらに借入れしなければならなくなるので、A社社長に気が休まる時はありませんでした。

一方英会話学校を営むB社では、無借金経営が続いています。受講生は受講するコースに応じて、授業料を全額前払いします。B社にとっては前受けです。

A社は明日の商売のために、先ずは今日商品を仕入れて倉庫に準備するためのお金が必要です。しかしB社では、明日どころか来月いいえ場合によっては一年先までの受講料を預かっていて、支払いは今日の分だけを少しづつしていけばいいのです。これを称して、A社は一定の運転資金が必要だと言い、B社は運転資金が要らないという言い方をします。

・いつまでもあると思うな運転資金

下の図をご覧ください。赤い部分のことを「運転資金」と呼びます。つまり売掛金や商品在庫の合計金額から買掛金等の金額を引いた分は「運転資金」と呼ばれて現金が足りない部分だということです。

例えば商品を仕入れてその仕入代金やお客様に販売するための営業マンの人件費、運賃その他諸々の経費を支払うとします。でも支払いたくても商品を全部売って代金を回収しないことには、支払えないことになりますよね。この時元々現金があれば支払えますが、そうでなければ銀行から借入れしてこれに充てることになります。この経費等の支払いに必要な不足金額こそが「運転資金」だというわけです。つまりその日に仕入れてその日に売り切る八百屋さんでもない限り、商売にこの「運転資金」は必要不可欠です。

この運転資金がなければ社員の給与支払いも次の仕入れもできないわけですから、もし少しでも不安があれば何をさておいてもこれを確保するために掛けずり回るはめになるわけですね。

 幸いこの「運転資金」を融資することは、銀行にとって元々の使命でしたから、今までは容易に銀行から借入れることであまり問題にならなかったかと思います。しかしもしも今後銀行が都合よく貸してくれなくなったら、いったいどうなるでしょう?例えば赤字であれば、運転資金だからと言っても銀行も簡単には貸してくれなくなるでしょう。

・運転資金を減らす取組みしてますか?

 冒頭の英会話学校B社のように、特に在庫が無く、売上代金を前受けしていれば、運転資金も不要ですから、まさに理想的ですよね。こんな前受で入金するか日銭商売のビジネスモデルに途中から転換するのは現実には難しいでしょう。

しかし売上入金の一部を早めることはできないでしょうか。熱意と交渉次第ではまだまだ諦めるのは早いというものです。せめて売上債権の回収を早めたり、在庫を必要最低限に減らすことの大切さを社員全員で徹底的に再確認することから始めてみてはいかがでしょうか?  (文責:赤沼)

■経営者のための税務

 中小企業関係税制はどのようなものがあるの?その1


・大企業と中小企業の設備投資額の差はどのくらいあるの?

現在、中小企業は大企業と比べると1/4程度の設備投資しかかけられていません。それだけ差があるのですから、生産能力にも大きな差が発生します。片や最新のハイテク機械、片や20年使い続けた機械で同じ製品を作った場合、1個の製品にかける労力、完成度が変わります。下の図は中小企業と大企業の従業員一人が生み出す付加価値の比較を表しています。それを見ますと中小企業は大企業と比べて1/2の付加価値しかないことがわかります。

・投資したいのだけれども・・・

設備投資をする必要が分かっているが、導入に踏み切れない企業もいると思います。そこで、頑張っている中小企業を支援するために設備投資を促進させる税制が設けられています。それが、設備を取得すると同時に、先取りして取得価額の30%を費用化できる特別償却制度です。(他に取得価額の7%を税額控除できる税額控除制度を使用する場合もありますが、資本金が3000万円を超える中小企業には適用されません。)

設備投資には多額の資金が必要になってきますよね。銀行から借り入れを行って設備投資を行ったとしても、出来れば十分な運転資金は確保したいものです。そこで特別償却を行うことで、納税額を少なくすることができます。その分余裕資金を確保できるのです。 

以下は特別償却を適用するための条件です。

対象となる主な中小企業:

 1.資本金が1億円以下の法人

  (ただし、大規模法人の子会社は除かれます。)

  2.常時使用従業員1,000人以下の資本金のない法人

 適用年度:平10.6.1 2.3.31 事業供用分

 主な対象物(新品に限る。取得価額による。)

 機械及び装置のすべて:【1台で160万円以上】

 器具備品(電子計算機、デジタル複合機):【120万円以上】

 ソフトウェア:    【70万円以上】

 では実際に機械を取得した場合の例を参考に実際どのくらいの効果があるのか見ていきましょう。

例 取得日:平成22年3月

  事業年度:平成21年4月〜22年3月

  取得価額:1千万円

  特別償却前の課税所得:800万円

  特別償却額 1千万円×30%=300万円

 例のケースだと、1千万円の取得価額で、当事業年度の法人税等が120万円少なくなります。このように税負担の軽減でおおいに効果が発揮されますので、是非覚えておかれるといいですよ。(文責:日高)


 項目 特別償却あり
特別償却なし
節税効果
 @特別償却前課税所得  800  800  -
 A特別償却費 300
0
300
 B課税所得 @−A  500  800  ▲300
 法人税等額 B×40%  200 320
▲120
 

 

■赤沼所長の一押しネタ

書籍紹介

   「お金」のシークレット

  著者:デビット・クルーガー

  監訳:神田昌典

  出版社:三笠書房

  価格:1,800+

困ったときほど人柄が出るように、お金は人の性格を拡大して見せる。無意識のうちにお金をタブー視し、お金にまつわることを忌み嫌う。貯めたい自分と使いたい自分。思わずどきっ!ぎくっ!としてしまう鋭い指摘に、自分がいつの間にかお金に関する非合理的な癖に振り回されていたことに気づきます。また金融業の専門家だろうが関係なく、大抵の人がお金のこととなると同じ過ちに陥る事例も豊富に紹介されています。これは正面からお金というものに向き合わなければ一生を棒に振りかねないと思わされます。この本でぜひお金に冷静に向き合える術を身につけることをお薦めします。一生ものの価値があります。

書籍紹介

一生折れない自信のつくり方

 著者:青木仁志   

 出版社:アチーブメント出版

 価格:1,00+

 読み終えて、清々しい気分になったのは著者の読者に対する愛情がこの本の根底にあるからなのでしょう。

実体験に基づいて書かれた多くの言葉が心に響きます。時には励ましの言葉であったり、時には耳に痛い言葉であったりと、読みながら一喜一憂していました。

  人生の目的を確認したい時、心にゆとりが無くなった時、頑張っているけどうまくいかない時等悩んだ際に読むと良いと思います。私自身、頭が整理されてきて冷静になって振り返ることができました。著者曰く「良質の情報との出会いは人生を根本から変えてしまうことがある」。まさに今がその時だと感じました。

 

■編集後記

先月は気温の急上昇急降下に、本当に驚きました。何しろ4月初頭の週末にコートなどの冬物をクリーニングに出そうかと準備しかけましたが、後でクリーニングに出さなくて本当によかったと胸をなでおろしました。何しろその後ほとんど毎日そのコートのお世話になっているのですから。地球的温暖化説の一方で寒冷化説もあり、にわかに信憑性を帯びてくるというものです。(赤沼談)

気づけば1年の3分の1が過ぎようとしてます。今年は特に時間が流れるスピードの早さを感じています。ついこの間雪が降ったかと思えば、あと2カ月も経つともう夏を迎えるんですね。私はGWを使って今年の目標、前半戦の振り返り、中盤戦への意気込みを確認、再考しようかと思っております。(日高談)