資金繰りが楽な会社の特徴その4
設備投資は少なければ少ないほど、資金繰りは楽だということ
「儲かっているはずなのに、お金がない!何かがおかしい!」実によく聞く言葉です。
大概のケースは、運転資金が多いか設備投資が多い場合です。設備投資が多い場合、一般的に多額に上るため、資金繰りに大きな影響を与えます。
製造業では最新機械設備の購入、物販・飲食店では新店舗の保証金・内装工事などがあたります。
また以前は「自社ビルを建てたら倒産する!」という話もよくうかがいましたし、実際にその実例を数多く目にして参りました。
つまりそれほど設備投資は資金繰りを圧迫するということなんです。ではなぜこんなに設備投資が資金繰りの問題になるのでしょうか?
@設備投資しても売上はすぐには増えない
まず設備投資は一度に多額の資金が必要になります。通常はこれを銀行借入金で確保するわけです。しかし設備投資をした途端、売上がすぐにアップするわけではありません。新型機械を導入しても、これに見合うだけの受注が増えるまでには時間が必要でしょう。また新店舗の顧客が増えて軌道に乗るにもある程度の時間が必要でしょう。
しかし借入金の返済スケジュールは元金均等返済が一般的です。
すると決算書によればそこそこ儲かっているみたいなのに、ほとんどの資金が借入金返済に充てられるため、運転資金がぎりぎりになってしまい資金繰りに神経をすり減らすということになります。
A維持・修繕などメンテナンス費用がかかる
機械でも何でもある程度年数が経つと必ず保守メンテナンスが必要になります。せっかく売上も伸びて利益が出始める頃にこのメンテナンス費用がかさんで来ます。機械であれば何台かに一台は故障して修繕が馬鹿にならないこともあります。さらに修繕している間、その機械は一円も稼いでくれません。 つまり稼働率が落ちると急に資金が苦しくなります。
B最初の売上予測の目論見が外れる
最初に設備投資を検討する際には、数年先までの売上高を予測する必要があります。しかしそもそもその売上予測が甘いことが多いのではないでしょうか。と言うよりも売上予測など全くしておらず、漠然とした希望的観測から「きっと毎月○○百万円の受注をこなせるだろうな」と勝手に思ってるというのが、最も多い実態だと思います。
もともと経済が常に右肩上がりで、設備さえあれば受注量確保の心配が全くない時代であれば、良かったかもしれませんが、今では夢のまた夢です。
もっともどんなに一生懸命に5年後10年後の売上を予測しても、実際にはそのとおりにいかない方が多いのですから、慎重に控えめに予測することです。
設備投資に関して気をつけるべきポイントは?
結局のところ資金繰りが楽な会社の特徴として、以下のポイントを細心の注意を払って実行していることが上げられます。
@まずは当然ながら極力自前では購入せず、賃貸で使用できる方策を探ります。
A売上が伸びない初期には借入金の返済をなるべく据え置きにして貰います。
Bメンテナンス費用を予め十分に見積もっておき、実施計画も十分に検討して稼働率が落ちるダメージを最小にします。
C売上予測は堅く堅く見ておいて、最悪でも資金が回るような設備投資額と返済期間にします。
Dどうしても当面返済が苦しいならば、無理のないように返済期間を延ばせないか、銀行に相談してみます。(文責:赤沼)
■経営者のための税務
人材育成に役立つ税額控除
仕事のやりがいがみたされている従業員が多い会社は業績も良い。
労働人口は10年後には約65百万人、15年後には約63百万人と減少の一途を辿っています。つまり10年後は現在に比べ5%減少してしまうのです。働く人が減少するばかりでは人材の獲得が厳しい状況になるのは間違いありません。今後は良い人材の獲得のためにも働きたいと思える魅力的な会社作りが大変重要なテーマとなっていきます。
では働く人はどのようなところに仕事のやりがいを感じているのでしょうか?2009年中小企業白書によると、働く人が仕事のやりがいを感じる源として多く挙げられたのが、一番目に賃金水準(昇給)で、2番目に従業員自身がした仕事に対する社内評価を得ることや仕事をやり遂げた達成感でした。
仕事の社内評価や達成感は、人材育成や組織改革を通じて充実が図る必要があります。
また同調査によると仕事のやりがいが満たされている従業員が多い会社は軒並み企業の業績が良いそうです。積極的な人材育成することは個人のスキルアップになり、ひいては会社の業績アップに繋がっていくのでしょう。良い循環が生まれています。
積極的な人材育成で上手に節税につなげていこう。
しかし直接業績に結び付きにくい人材育成、研修に資金を当てることには抵抗があるかもしれません。そこで現在人材育成に投資しやすくするために人材投資促進税制が設けられています。
労務費(給与、法定福利費、教育訓練費)に占める人材育成にかける費用の割合が高ければ、支払う法人税から一定の範囲内で税額控除が受けられます。人材育成により将来の業績向上にもつながり、税額の控除も受けられるのであれば一考に値するというものです。
控除額=教育訓練費×税額控除割合
税額控除割合=
8%+(教育訓練費/労務費-0.15%)×40
※法人税額の20%相当額が限度となっています。
(青色申告法人が平成23年3月31日までに開始する事業年度)
例. 教育訓練費の額 100万円
労務費(給与、法定福利費、教育訓練費)
50,000万円
法人税額 150万円
教育訓練費の割合=100万円/50,000万円=0.2%>0.15%
税額控除率=8%+(教育訓練費の割合-0.15%)×40=10%
控除額=教育訓練費の額×税額控除率=10万円
控除限度額=150万円×12%=30万円
10万円が税額控除されます。
(文責:日高)




