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事務所通信Vol.7 part4(2010年8月)

■経営に役立つ会計資金繰りが楽な会社の特徴その5 

「労働分配率」という言葉、ご存知かと思います。会社経営でイチニを争う大事な言葉です。念のため労働分配率の意味を確認しましょう。 

労働分配率=人件費/粗利(付加価値)

つまり粗利(付加価値)に占める人件費の割合です。時に労働分配率60%の会社は、粗利の大半を給与等の人件費にかけていますので、社員に手厚い会社、社員に優しい会社という意味で持ち出すことがあります。しかし一方で労働分配率が20%の会社が社員に厳しい会社かというと、どうやら話はそんなに単純では無さそうです。

と言うのも労働分配率が高くても、業績給等で極端に個人差が激しく殺伐とした職場環境である場合もありますし、年度によって支給される賞与の上下が激しいのは社員にとって生活設計がしにくく安心して暮らすのには好ましくないことがあります。また労働分配率が低くても、一人一人の給与自体がそれなりの満足いく水準であれば、社員のモチベーションは下がりません。ですから労働分配率は高ければ高いほど良い、低いのは良くないという間違った思い込みがもしあれば、これだけは注意していただきたいと思います。

少なくともこれだけは言えます。労働分配率が高い会社より低い会社の方が、倒産しにくい。

つまり資金繰りで苦労しなくて済むということです。

 と言いますのも人件費は大抵の場合固定費です。ボーナスと言えども増やすことはできても減らす時は大変気を遣います。例え業績が悪いためボーナスを減額するにしても社員のやる気が落ちて日々の仕事に悪影響が出ないかということが心配で、思いきったことができないものです。

 つまり今回のリーマンショックのように、時に発生する売上の低下、粗利の低下という事態に直面しても、だからと言って人件費はあまり削れないということです。ですからいざという時、他の経費を削れる余地が大きい会社すなわち労働分配率が低い会社の方が、資金繰りに余裕が出るということなのです。

労働分配率の考えを上手く経営に役立てるには、「一人当たり粗利(付加価値)」という考えを合わせて活用する必要があります。

労働分配率が低くて長年上手く行っている会社というのは、一人当たりの粗利(付加価値)が高いのです。一方一人当たりの粗利(付加価値)が低い会社は、結果的に労働分配率が高くなってしまっていることが多いのです。

ではどうすれば良いのでしょうか?

それは一人当たり粗利(付加価値)もしくは社員一人一人の給与当たりの粗利(付加価値)を最大限に高めることを経営上の第一の目標にすることです。これは社員一人一人のポテンシャルを最大限に引きだすことですから、まさに経営施策の善し悪しのすべてがここに集約されていることがおわかりいただけると思います。

(文責:赤沼)