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事務所通信Vol.8 part5(2010年9月)

《経営者のための税務》

欠損金の繰越控除を活用する

 

・欠損金の繰越控除

法人税は事業年度を単位として、各事業年度の所得に対して課税されるのですが、所得がマイナスで欠損になった場合には、その欠損額を将来発生する利益と相殺することができます。ご存知かとは思われますが欠損金の繰越控除の期間は7年ですので、7年よりも前の欠損金は繰越ができずに打ち切られます。そのため活用せずに打ち切られるのは勿体無いですから是非活用したいものです。

 

 

・キャッシュフローの確保に役立てる

 そこで計画的に欠損金を活用することでキャッシュフローの確保に役立てることができます。

 例えば含み益のある固定資産を売却する際は繰越欠損金が有効な期間に売却を行えば売却益と繰越欠損金が相殺されます。また今後の安定した黒字化を見込んで、前もって多額の設備投資を行い欠損金を生じさせれば7年間の繰越控除を活用することで大きな節税効果が見込めます。

 

 

・欠損金の活用方法

 活用方法としては今後の損益を考慮して益出しする方法と損出しする方法があります。

 

1.益出し

 以下のようなケースでは、繰越欠損金が打ち切られる前に売却または解約を行うことで繰越欠損金を上手に活用できます。

 ・含み益のある資産を関連会社等に売却をする

 ・資金調達のため解約適期にある生命保険の解約返

  戻金を受け取る

 

 益出しを行うことで、打ち切られる前に繰越欠損金を有効活用し節税することができます。

 

2.損出し

 以下のようなケースで計画的に損出しを行い、その後の所得と相殺させることで大きな節税効果となります。

・今後確実に黒字化が見込め、現在手放したい含み損

 のある資産を有している

・今後安定した黒字化になっているが、さらなる先行

 投資をおこないたい

 

例.今後一定の所得が見込まれることを想定し、含み損のある資産を関連会社に譲渡した場合

(単位:万円)

 

 計画的に損出しを行うことで7年間の繰越控除を活用しトータルの節税効果は相当の大きさになります。また資産の譲渡により資金調達もできることから、多少とも資金繰りにも余裕が出きます。

          

・欠損金の利用を目的とした買収は規制されています。

 以前は休眠している会社などを活用して、多額の繰越欠損金を有している会社を買収して自社の利益と買収した相手先の繰越欠損金を相殺して節税する行為を行っていた会社が多くあったようです。そこで、現在では買収する際に制限が設けられており、あからさまな租税回避行為は規制されています。詳しくは顧問税理士にお聞きください。

(文責:日高)