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事務所通信Vol.8 part5(2010年9月)

≪経営者のための税務≫
税制を上手に活用して計画的な贈与、相続を

贈与税、相続税の仕組み

一般に資産の贈与、相続する際には課税されますが、特に中小企業の事業承継では経営者から後継者に株式の贈与が発生しますので、上手に税制を活用していかないと多額の税金を支払うこととなります。方法として生前に贈与を受ける際に課される1.贈与(暦年課税制度)、被相続人が死亡し相続した際に課される2.相続、生前に一旦贈与を受け相続時に相続税を支払う3.相続時精算課税制度の3つの方法があります。

 

1. 贈与税(暦年課税制度)

 贈与税は生前に無償で財産を取得した場合にその取得した財産にかかります。基礎控除額(110万円/年)以内であれば贈与税はかかりませんが、超えた場合には控除後の価格に贈与税がかかります。

 例)現金1億円の贈与を受けた場合

   贈与税額(1-110)×50%-2254,720万円

   注)贈与額によって計算式は異なってきます。

 

 長期に渡って110万円以下の少額の贈与をする際には暦年課税制度をおすすめします。時間はかかりますが税金は発生しません。

 

2. 相続税

 相続税は死亡した人(被相続人)が持っていた財産を相続人が受け継ぐときにかかります。

基礎控除額(5,000+1000×法定相続人の数)までであれば相続税はかかりませんが、基礎控除額を超えた場合には控除後の価格に相続税がかかります。

 例)現金1億円を法定相続人1人で相続する場合

   課税価格1-5,000+1,000×1人)=4,000万円

   相続税額 4,000×20-200=600万円

    注)相続額によって計算式は異なってきます。

 

 相続税は贈与税(暦年課税制度)と比べて控除額は大きいのですが亡くなった際に受け継ぐので、事前に計画が立てられません。そこで活用方法としては1.の暦年課税制度を活用して少額でもこつこつと生前贈与を行い、将来相続する額を減らしておいて被相続人が亡くなられた際に相続する方法が考えられます。

3. 贈与税(相続時精算課税制度)

 この制度を適用すると65歳以上の親(取引相場のない株式等の贈与は60歳以上)が20歳以上の子に贈与する場合、2,500万円以下の贈与でしたら贈与税が課税されません。もし超えた場合には超過した額に一律20%の税率で贈与税を納付します。なお、相続時に生前の贈与額も含めた額で相続税が課されます。贈与する財産は贈与時の時価で評価します。

 例)生前時に3,000万円の贈与を受け、相続時は生前時の3,000  

   万円を含め計1億円を法定相続人1人で相続した場合

   贈与税額 (3,000-2,500)×20%=100万円

   相続課税価格 4,000万円

   相続税額   (4,000×20%-200-100500万円 

   合計 500+100=600万円

 非課税限度額が2,500万円と多額であり、累計で限度額を超えなければ贈与時期、回数に関係なく非課税で贈与できます。


 どちらの制度を選択すればよいのか

 

 贈与の際には暦年課税か相続時精算課税のいずれかを選択することになりますがどちらを選択すれば良いかは条件によって変わってきます。なお一旦相続時精算課税制度を適用した場合は、贈与税は相続時精算課税制度で適用されますのでご注意ください。

暦年課税制度が良い場合

・親である被相続人が健在で、長期に渡って贈与計画 

 を立てられる。

110万円以内であれば贈与税はかかりませんので長期に渡って少額贈与する場合は暦年課税が適しています。

相続時精算課税制度が良い場合

・早期に多額の贈与を行いたい。

・贈与財産の時価が今後大幅に上がる見通し。

非課税枠が2,500万円であるので早期に多額の贈与が可能となります。また贈与財産は贈与時の時価で評価されますので将来時価が大幅に上がる場合などは大きな節税効果が期待されます。

 なお上記は一部の条件を示しただけです。より詳しい条件で比較検討されたい方は顧問税理士にお聞きください。             (文責:日高)